35歳、もしあなたがアメリカの石油会社で働くブルゴーニュ人だったら、何をしますか?

シャンタル・トルトショ=ミシェルにとって、その答えはシンプルでした。35歳のとき、彼女は石油会社でファイナンシャルとして働く、アメリカの大企業特有のストレスフルな環境に別れを告げることを決意し、第ジョン大学ワイン学部で学びました。そこで卒業資格を取得したのち、一族のドメーヌを継ぎ、4代目当主となったのです。それは1990年代後半のことで、当時シャンタル・トルトショ=ミシェルは、ブルゴーニュでわずか3人しかいなかった女性醸造家のひとりでした。その日以来、彼女は高い水準を維持し、一族の名声にふさわしいワインを造り続けるというプレッシャーを背負い続けています。ストレスとは、人によってまったく異なる意味を持つものなのです。

ドメーヌ・トルトショは、現当主シャンタル・トルトショ=ミシェルの高祖父にあたるポール・トルトショによって創業されました。ジュヴレ=シャンベルタンに本拠を置くこのワイナリーはピノ・ノワールのみを手掛け、12ヘクタールの畑を34区画に分けて所有しています。ジュヴレ=シャンベルタンに加え、クロ・ド・ヴージョやモレ=サン=ドニのワインも醸造しています。栽培においては高密植・低仕立てを採用し、剪定を巧みに行うことで収量管理に力を注いでいます。

2000年に設立された団体「ファム・エ・ヴァン・ド・ブルゴーニュ(Femmes et Vins de Bourgogne)」の創設メンバーのひとりとして、シャンタル・トルトショ=ミシェルはブルゴーニュで働く女性たちとそのキャリア形成を積極的に支援してきました。同時に、この地域のもう一人の才能ある醸造家、シルヴァン・パタイユとも緊密に協力してきました。シルヴァン・パタイユはその実力から高く評価されている造り手であり、20年間にわたりドメーヌ・トルトショのコンサルタント・ワインメーカーを務めています。エネルギッシュで実直なアプローチを貫くシャンタル・トルトショと共に仕事をしてきた彼らは、近年、新樽の使用比率を抑え、全房発酵を一部取り入れることで、温暖な年の果実味の豊かさを抑制しつつ、よりうまく引き立てるスタイルへと進化させています。

トルトショのワインスタイル

ジャスパー・モリスの言葉を借りれば、シャンタルの「巧みなワイン造りによって、若いうちから親しみやすく、活き活きとして果実味豊富で、それでいて数年の熟成にも十分耐えうる、お手頃なワインのレンジ」が生み出されています。シャンタル・トルトショ=ミシェル本人いわく、「ここでは、たっぷりとした果実味と力強いタンニン、そしてしっかりとした酸を備えた、より伝統的なスタイルのジュヴレ=シャンベルタンを造っています。」

トルトショから何を飲むべき?

是非試していただきたいのが、特級クロ・サン=ジャックに隣接する一級畑ラヴォー・サン=ジャックとシャンポーのキュヴェです。特別な機会には、シャンベルタン・グラン・クリュを開けてみてください。より高いコストパフォーマンスを求めるなら、マジ=シャンベルタンやシャルム=シャンベルタンが、シャ ンタル・トルトショ=ミシェルのエレガントで穏やかなスタイルを通じて、グラン・クリュのテロワールから複雑味を引き出すアプローチを体験したい方に、比較的手の届きやすい価格帯を提示してくれます。

出典: http://burgundybeyond.com/, Jasper Morris Inside Burgundy